私の所属している会社では多くのプロジェクトでマイクロマネジメントが用いられています。
業務をKPIに基づき、かなり細かいセグメントに分けて1つ1つ管理される形。
「何故ルーチンワークがかなり細かく管理されるのだろう?」と疑問に思い、調べてみました。
日本との違いも書いてみたので、特に東南アジアBPOに就職を考えている方の参考になれば幸いです。
- 東南アジアBPOへの転職を考えている
- 東南アジアBPOでマイクロマネジメントになりがちな理由が知りたい
海外と日本での顧客との契約の違い

SLA(Service Level Agreement)
東南アジアのBPOでは顧客とService Level Agreementという労働契約を結んでいるケースが多数派です。
SLAは成果物に対してBPO側に契約上の履行義務があり、KPI未達でペナルティや報酬の減額が発生。
ではなぜこのSLAという契約形態が用いられるのか?という点ですが、いくつか理由があります。
- 欧米を中心とした海外企業は成果は数値で測るものという価値観が根強い
- クライアントは他社への業務外注自体にリスクを感じており、KPIや監視でコントロールしたい
- クライアントがオペレーションに対して無知なケースもあり、現場に任せることができず、数値で測ることしかできない
日本のBPOに多い契約形態は?

SLAではなく準委任契約が多いです。
これは業務の成果ではなく、業務遂行についてBPO側は責任を負ってください、成果については発注者(クライアント)が責任を負います、という契約です。
私もBPOで企業間の契約書を作成していた時期がありましたが、SLAではなく概ね準委任契約だったように思います。
そもそもですが、日本人の場合SLAを決めていなくとも大多数の人がまじめに働き、結果的にクライアントの求めている期待値に達することが多いような気がします。
また「SLAでがっつりマイクロマネジメントするぞ!」というやり方は多少なりとも「お前らを信用していない」という印象を相手に与えますし、日本人の気質には合わないのかもしれませんね。

日本でもITや物流なんかはSLA増えてきてるみたいだね。
SLA契約と付随して発生するKPIの例
SLA契約の具体例
| SLA項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 精度率が95%未満の場合 | 月末に最大10%の請負金額減額 |
| 処理時間が指定を超過した場合 | サービスレベル未達として翌月の新規業務発注量を削減される可能性 |
| 対応時間が遅れた場合 | エスカレーションがTATを越えると1件あたり罰金または報告義務が発生 |
| エラーが月100件を超えた場合 | 月次レビューで契約の見直し、オペレーター入替の要請が生じる |

マネジメント側としては会社の利益に直結するから、マイクロマネジメントに傾倒してしまうわけか・・・。

場合によりけりだけど、クライアントかBPOのどちらか、もしくはその両方の体質によってはマイクロマネジメントが行き過ぎるケースもあるよ。
KPIの具体例
以下はモデレーションやカスタマーサービスのKPI例になります。
BPO企業がSLAを遵守するために従業員の労働にKPIを設定し、達成したらインセンティブ付与という形が一般的。
| KPI項目 | 内容の説明 | 目標値の一例 |
|---|---|---|
| Accuracy Rate(正確性) | 判断の正確性(社内QAやAIによるチェックで測定) | 95%以上(場合により98%) |
| AHT(平均処理時間) | 1タスクあたりの処理時間の平均(スピード指標) | 1件30〜60秒以内などタスク別に設定 |
| Throughput(処理件数) | 1時間または1日あたりに処理する最低件数 | 1時間あたり70〜100件 |
| TAT(Turnaround Time) | リクエストを受けてから完了までの時間(特にEscalation対応) | 24時間以内など |
| Adherence(勤務遵守率) | シフト通りにログイン・休憩したか。遅刻・離席時間などの細かいトラッキングも対象に | 95〜98%以上 |
| CSAT(顧客満足度) | 特にエスカレ対応やチャット業務でのユーザー評価(星・アンケートで評価) | 90%以上など |
SLAが極端になった例

私の会社を例に出すと、他のBPO企業が悪質で受けたらがらないような条件でも「なんでもやります!」といって受注している気配を感じます泣。
マネジメント側はオペレーターの尻を叩くのが主な役割で、TLやQAに独自の裁量はさほどありません。
また、SLA遵守のためか、オペレーターの普段の業務を監視する部署が別に存在します。
そのためクライアントがSLAを基に設定したルールを守りつつ、この監視部署が提示するルールも強制されるという困った事態に・・・。

・・・奴隷制度かなw・・・?

私も労働者としての個があまりに尊重されない環境に面食らったよw
それをチームリーダーやその上のオペレーションマネージャーも「クライアントが言うことだから仕方ない」で片づけている環境にも面食らったw
席を立つにもチームリーダーの許可がいる
チームとしてのKPI未達が続いたせいか、離席時にTLの許可が必要になったことも。
「授業中の小学生かなw」と感じましたが、おっさんの自分がこの状況に置かれていることに悲しくなりました。
1つのタスクで時間がかかり過ぎた理由を提出
全部が全部そうではないですが、たまに難解なタスクが紛れており、時間がかかることも。
そういったケースは規定のAHTをオーバーしても仕方ないと思うのですが、理由の提出が求められる制度ができました。
理由を作成するのにも時間がかかるため、他のKPI項目達成を困難にさせる状況にw。
タスクの処理時間がかなり細かくなる
前述した監視部署の話になります。
タスク処理時間短縮のために、クライアントが一部ルールを簡素化してくれたことがありました。
このルールに基づけば1件のタスクをかなり早く処理できるように。
しかし社内監視部署が「処理早すぎるんだけど不正してない?」と疑い出し、1件あたり最低何秒時間をかけろという指示を出してきました。

まぁこれについては、実際不正に近いことしてたメンバーもいたので仕方なかったんだけどね・・・。

不正せざるを得ない事情もありそうに感じる・・・。

評価基準も曖昧なところが多くて、クライアントが後出しルールで「あなたたちの理解は間違ってますから」というケースも多々。
まじめにやってるポーズはとってるけど、モチベーション下がってるメンバーは多いように見えるよ。

商流が下の会社は大変だねぇ・・・。
おわりに
自分は準委任契約に慣れていたので「BPOの仕事はやることをやったら別段クライアントから文句は言われない」という認識でいました。
企業間の契約もそこまで無茶な要求はなかったと思います。
というか、採算ラインを割り込みそうだったり、契約内容でトラブルが起こりそうなものは意図的にBPO側から仕事を取りにいかないケースが多かったように記憶しています。
結果としてクライアントから過度な圧力を受けたことそれほどなし。

私の同僚は売上が常に赤字のクライアント企業へ常駐して大変だった時期もあるので、もちろんケースバイケース・・・。
このあたりは辛さの種類が違うな、と感じます。
簡単にまとめますと「東南アジアのBPOではルーチンワークに過度なマイクロマネジメントを敷かれ、使い捨ての歯車になったような感覚が強まるといったデメリットがある」ということをお伝えできればと思いました。
メリットも上げるとすれば、東南アジアBPOでは英語を使う機会がある・日本より手取りが多くなる可能性があるといった点でしょうか。

なんでそんなルーチンワークなのに、日本企業よりマレーシア企業に雇われた方が手取り高くなるんだろう?

想像だけど、クライアントはマレーシアBPOから税金や社会保険料まで加味した人件費を請求されないから、日本のBPOに発注するよりも金銭負担は少ないんじゃないかな。
かつ、日本人の手取りも増えて給与面だけ見ればWinWinっていう構図があるかも。
海外BPO・日本のBPOどちらも一長一短ですね・・・。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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