この記事ではマレーシアBPOへ応募から現地に入るまで、私の経験した流れを書いて行こうと思います。
2023年の7月・8月ですが、当時は色々としんどい思いをしました。
応募の動機
- 直近BPOで働いていたので、経歴に統一感がでる
- 私自身飽きっぽいので、様々な案件に携われる業種を希望していた
- 一度海外で暮らしてみたかった
という何とも40代とは思えない安直な理由で転職活動を始めました。
3月に会社を辞めて、4~6月末まで短期の派遣で働きながら就職先を探していました。
4月に1社、フィリピン勤務のBPOを受けてみたのですが不採用。
おそらく原因はSPI。
手ごたえはありませんでした。
SPIを受けてから結果が出るまで長かったので、先方は迷ってくれていたと思いたいです。
RPAを使った業務支援という内容で面白そうでした。
チャンスがあればいつか再挑戦したいと密かに企んでいます。
その後も求人情報をチェックし続けていると、Indeedでマレーシア勤務のBPO案件を発見。
応募を見送ったら後悔しそうでしたので、エントリーしたところ採用されました。
採用フロー
大雑把ですが、下記の流れになります。
- 7/4:Indeedよりエントリー
- 7/6:転職エージェントから就業先と業務内容の説明を受ける
- 7/7:必要書類の準備
- 7/10:転職エージェントと面接の練習(Zoom)
- 7/13:面接(Zoom)
- 7/14:前日の面接合格通知・英語アセスメントの連絡
- 7/16:英語アセスメント受験
- 7/17:採用通知・入社日決定
各項目について振り返りたいと思います。
Indeedよりエントリー
転職の際、私はIndeedメインで仕事を探しています。
マレーシアBPOの求人を見たとき、正直なところ強い違和感を覚えた記憶があります。
原因は・・・
7月の初旬に掲載されているものの、入社日が7月後半
という点です。
「釣りか?」
「採用枠埋まってるけど、広告が放置されているだけか?」
「早急に人が欲しいけど全く応募がないのか?」
といくつかの憶測が頭をよぎりました。
この採用スケジュールですと、就業している人がこの求人に応募するのは不可能だと思います。
「退職日は1か月前に通知」という会社が多数派でしょうし・・・。
入社して思ったのは
- 早急に人が欲しかった
- できれば若い、日本の働き方に染まってない人が欲しかった
- 採用側HRの人間がかなりいい加減だった
・・・のではないかと思います。
HRのいい加減さについては、日本人の同僚がかなり怒っていました。
同僚の怒りに火をつけたメールを読ませてもらったのですが「本当にそんなこと人事がミスするのか?」といった内容を多々目撃。
かなりのカルチャーショックを受けました。
日本の人事担当者でしたら、まずやらないようなミスでした。
自分のことでもありますが、部署を問わず悪い意味で緩い空気が蔓延しており、日本の働き方に慣れていると順応が難しいかもしれません。
良く言えば人のミスに寛容な文化と言えるのかも。
転職エージェントから就業先と業務内容の説明を受ける
Indeedから応募して間もなく、転職エージェントから電話がかかってきました。
電話で話した後、Indeedに登録してあるメールアドレスへ就業先企業の情報・業務内容、現地生活についてのPDFを送ってもらいました。
この時、説明を聞いて不安に思ったのが「面接は英語」「実務はほぼ日本語で完結するが、研修は他の国から来た人と英語で行われる」という点でした。
面接の練習にも付き合ってくれるとのことで、「どうにかなるか?」と感じ「是非、応募させてください」と回答しました。
必要書類の準備
転職エージェントから説明を受けた後、面接の想定質問に対する回答と、提出書類の準備にとりかかりました。
大学の英文卒業証明書と履歴書・職務経歴書を準備。
また、先方とチャットでやり取りする際にWhatsUpというアプリが必要とのことで、こちらも登録しました。
日本でいうLINEのようなもので、マレーシアではWhatsUPが連絡手段として一般的です。
履歴書・職務経歴書については、提出後に転職エージェントが英文に直してくれたので、それを私の方で再度チェックするという形をとりました。
しばらくして、就業先となる会社から面談日程調整のメールが来たので、提案された日時で問題ない旨返信。
転職エージェントと面接の練習(Zoom)
どうせボロクソ言われるのだろうな、と思っていました。
ところが実際は「かなりよくご準備されたと思います!ただ~を修正すればもっとよくなると思います!」・・・といったYes, But的アドバイスをもらいました。
「本当によく準備したと思ってます?」と照れながら感じた記憶があります。
転職エージェントの方に上手くのせられました。
面接(Zoom)
面接当日、指定のURLで待っていると人事の方から英語で話しかけられました。
声が聞こえてる旨を伝えると、面接担当者に話が切り替わりました。
ここから1対1での面接がスタート。
先方が私の英語力を配慮してくれたのか、基本的に日本語でやりとりが行われました。
質問は事前に転職エージェントから教わっていた内容が大半だったため、言葉に詰まることはほぼありませんでした。
準備していた内容とあまり変わらない回答を伝えて終了。
個人的な肌感としては、面接官の話に抑揚が感じられなかったため「こりゃ落ちたな」と思い、転職エージェントに報告しました。
「おそらく落ちた」「こういった質問が出たので次の応募者様に活かしていただければ」といった旨を伝えて、再びIndeedで仕事を探しを始めました。
余談ですが、私の会社では面接の日程調整は人事が行い、実際の面接はチームリーダーが行うケースが見られます。
全部が全部そうなのかはわかりませんが、私のケースはこちらでした。
つい最近も自分のチームリーダーが、求職者の面接をしているのを見ました。
また、入社タイミングによってはこの時点で英語力不足として落とされるケースもあると聞きます。
社員対象に「就業希望者を紹介し、採用後数か月の継続勤務が確認できたら紹介料をもらえる」という制度があります。
同僚がこの紹介制度を利用して何人か会社に人を推薦しましたが、2024年になってから、日本人応募者の面接は概ね英語で行われるようになり、苦戦される方が多いとのこと。
応募者様ご本人から同僚へ結果が知らされるのですが、英語力不足で落とされたと感じている方が多い様子。
想像ですが私の場合、元々日本人の多いチームにアサインされる予定だったように思います。
後で分かったことですが、私の面接を担当した人はほぼ日本人で構成されるチームのリーダーでした。
そのため英語力は問われずに済んだのではないか、と考えています。
もっとも、のちに自分で入社日を後ろに倒して欲しいと希望したため、予定されていた配属チームが変更されたのだろうなと推測しています。
英語アセスメント受験
面接を受けた翌日、転職エージェントから「おめでとうございます!面接の選考通過しましたよ!」と連絡がきました。
「え、あれで?」というのが正直な実感でした。
「次のステップとして、英語のテストがあります。何回か受験できますが、これで落ちる人もいますので、準備を整えて臨んでください!」とのこと。
ちなみに私の英語力は日常会話レベル以下です。
2016年にTOEICを受験した際は500点しかとれていませんでした。
「英語で他に何か資格を持っているか」と問われれば、大学1年生のときにとった英検2級くらいでしょうか・・・何年前の話だよ笑。
こちらも転職エージェントから問題の傾向を教わって臨みました。
PC上で行われ、大問7つくらい・40分程やっていたような気がします。
簡単なシャドーイングから、お題について英語で説明をしたり、文法知識などが問われました。
手応えは全くありませんでした。
「今度こそ落ちたな」と思い「あまりできなかった、多分何回やっても落ちると思う」と転職エージェントに報告しました。
「やっぱだめだったかー・・・でも逃げずにやるだけやったし、気持ちを切り替えて仕事を探そう!」とまたまたIndeedで仕事を探し始めました。
採用通知・入社日決定
英語アセスメントの翌日、転職エージェントから「おめでとうございます!採用が決定しました!」と連絡があったのち、就業先企業からも英文で受かったよーとメールがきました。
「?え、あれで??本当に???」
嬉しさ70%、訝しさ30%くらいの気持ちでした。
この後に及んで私は入社を迷っていました。
というのも、転職エージェントから焦りのようなものを感じていたからです。
直観的に「就業先はヤバい会社かもしれない」という懸念をもっていました。
「BPO業界でいうとそれなりに規模の大きい会社だが、マレーシア現地法人がヤバくない保証はないのでは・・・。」
この段階で初めて「この会社の評判は問題ないのだろうか?」という疑念が頭をもたげました。
試しにGoogleのレビューを見てみると、良い評価と悪い評価でバッサリ割れているではありませんか。
もっと早く確認すべきでした。
実際入社して思うのは、マレーシアの所得を基準とすると、所得が低い国出身者からの評判は良くて、所得が高い国出身者からの評判は悪いのではないだろうか、と。
低レビューを読んでいると、不適切なオペレーションが多く記載されていました(実際、うちの会社ならやりかねないよなぁ、これ・・・という内容が多々)。
当時の私はレビューを見て「確かに気になるコメントはあるが、会社の評判は極端に悪くなさそう」と判断し、入社準備に向けて動き出しました。
採用通知をもらってからやったこと
入社書類準備
7月後半まであわただしく動いていました。
採用通知を受け取ってから、いくつかの必要な英語書類をそろえる必要があったからです。
この時、印象に残っているものとして「リファレンスチェック」がありました。
日本でも実施している会社があるようですが、私は今まで経験がありませんでした。
前職と前々職の人間に「仕事で私に問題はなかったか」を転職先企業が確認するための作業です。
頼めそうで連絡先を知っていた人が何人かおり、引き受けてもらえました。
こういうときに助けてもらえるのは本当にありがたい限りです!
・・・が結局頼んだ2人に後で確認したところ、チェックはなかったとのこと。
転職エージェントによると、私の所属している会社では「この人は何か問題ありそうだな」というケースのみに実施されるようです。
渡航後の生活費捻出のため短期バイトを行う
この時期は、書類準備と平行してタイミーで引っ越しや工場内作業などを、ガテン系の派遣会社で道路の白線を引く作業や除草作業、給湯器の設置補助など日払い業務を入れ、渡航後の生活費を稼いでいました。
慣れない力仕事で怒鳴られたり、炎天下の中、1日中外で作業したりと、振り返るとそれなりにきつい期間だったという印象が残っています。
余談ですが、タイミーを使ってみた感想も記事にしました。
よろしければご覧ください。
1日の終わりにはヘトヘトになっていました。
アパートも引き払わないといけなかったので、時間を見て不用品をメルカリに出したり、市の粗大ごみ回収を予約したり、自分でバラバラにできそうなものは分解して不燃ごみに出したりしてました。
「実家暮らしの若者ならこんな苦労してないんだろうな・・・」とやや空しい気持ちになりつつも、「自分で決めたことだ」と割り切って日々粛々と過ごしました。
入社日を後ろにずらせないか相談
一方的に入社日の通知があったものの、準備期間的に厳しいと感じていたので、後ろにずらしてもらえないか転職先の会社に相談しました。
アパートの解約立ち合いのスケジュールが、管理会社と合わせられなかったためです。
同じアパートに10年以上住んでおり、家賃も2年更新ごとに安くしてもらっていたので、不義理はしたくありませんでした。
採用通知が来た後エージェントに相談したのですが、ちょっと難しそうだという内容を婉曲的に言われました。
「直接会社に話してみるか」と採用通知を送ってきた人事にメールしました・・・がしばらく音沙汰なし。
入社日延期について全く話がないので、就業先に辞退の申し入れ
複数の人事とメールでやりとりをしていたのですが、概ね入社書類の提出は終わっても、入社日延期をお願いした担当者からは返信がありませんでした。
ただ、最初から転職エージェントに入社スケジュールを提示され「そのスケジュールで大丈夫」と勢いで答えてしまっていたので、100%自分が悪いわけです。
「これ以上関係者に迷惑をかけられないので辞退します」といったメールを送りました。
採用活動にそれなりにお金をかけているはずなので、請求されたらそちらも返す気でいました。
加えて「あやしげな会社に入社せずに済んだ」と心の片隅でホッとしていた自分がいたのも事実です。
しばらくすると転職エージェントから連絡があり「せっかくマレーシアに就業が決まったのにもったいない!私が交渉しますよ!」とのこと。
「転職エージェントの立場からすればクライアントからお金が入らなくなるので当然か」と思いながら話を聞いていました。
8月後半に入社日を調整したと連絡あり
入社日について調整していた担当者から、8月後半に調整できたと連絡がありました。
これでいよいよ腹を括らねばならなくなりました。
入社後に分かったことですが、私と入社日の調整をしていた人事は日本でしたら社内コンプライアンス違反を疑われるようなことをしていました。
日本の会社だとコンプライアンス違反になるようなことも、マレーシアだと違反にならないのかもしれません。
転職エージェントの方はまじめそうな若い方だったので、私とこの人事担当者2名に挟まれて大変だったと思います。
最初から最後までしっかり対応していただき、感謝しています。
マレーシアへ飛ぶ
8月後半、羽田空港からマレーシアへ旅立ちました。
短期間でしたが、羽田空港の関連施設で働いたことがあり、ややエモい気分になったのを覚えています。
「あの時はまさか海外で働くことになるなんて思ってなかったなー」と考えながら、搭乗前の時間に近くの川沿いを散歩していました。
人生何が起こるかわかりませんね・・・。
写真は羽田空港内です。
ちなみにエアアジア機内は空調が効きすぎて極寒になることがあるので、夏でも羽織り物を持参して搭乗するのがお勧めです!
おわりに
マレーシアのBPOに応募する際は、下記の内容に気を付けると良いかもしれません。
- プロジェクトの寿命が残りどれくらいか仮説を立てる
- 応募先以外のプロジェクトが豊富にあるか調べる
- 複数のレビューサイトで会社の評判を確認する
- リリースレターを会社が発行してくれるか確認する(重要!)
突然会社都合でプロジェクトがなくなることもあるので、できるだけ事前に調べられることは調べた方が良いと思います。
特に英語に自信のない私のような方は、プロジェクトの継続期間に注意を払った方が無難かと。
プロジェクトクローズ後の異動先選択肢がかなり狭まってしまうためです。
立場上、転職エージェントは応募先のプロジェクトがどれくらい続くか予測できても素直に答えられないと思うので、クライアント名やプロジェクト内容を確認した上で、そこから自分で情報収集して仮説を立てることがリスク低減につながります。
本当に突然仕事がなくなりますからね・・・。
また、リリースレター(マレーシア国内での転職に必要)を出してくれない会社はできるだけ選択しないことをお勧めいたします。
リリースレターがなければ「マレーシアのこの会社に転職したい!」と思っても、一度出国しないと転職できません。
退職防止のためにリリースレターを発行しないBPOがマレーシアには存在します。
裏を返せば退職者が発生しやすい環境で、内部が低コンプライアンス・低モラル(人事周り含む)な環境である可能性も高いと推測できます。
以上、会社選びで「ここは気を付けた方がいいかも」というポイントでした。
不安を助長してしまう様な内容を書きましたが、自分にあったプロジェクトに入ることができれば、楽しい海外生活を過ごすことができると思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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