トランプ政権がスタートして以来、良くも悪くも株・為替・仮想通貨などあらゆるマーケットのボラティリティが拡大しています。
2025年4月には、アメリカ株式市場は一旦大きく下落しましたが、その後は底堅い展開が継続。
個人的には「米国株式市場の回復も頭打ちになり、下落に転じるのではないか」と思うタイミングが何度かありました。
しかし、そんなことはどこ吹く風で上昇し続けています。
この記事ではアメリカの株式市場が底堅い理由について触れていきます。
- トランプ政権下でアメリカ株式市場が底堅く推移しているのに疑問を感じる人
- 今後のアメリカ市場がどう動くのか興味のある人
2025年4月・5月の米国株式市場
底堅く推移するアメリカ株
2025年4月初旬の株価はかなり下落していましたが、米国債が売られて金利が上昇したため、政府内で方針転換があったものと思われます。
相互関税発動を90日間延期すると発表したことにより、株価は急激に回復していきました。
ベッセント財務長官による中国との関税戦争一時休戦
5月10日と11日、ベッセント財務長官と中国の何立峰副首相がスイスで会談。
翌12日、お互い関税を115%引き下げる内容で合意したと発表されました。
米中の緊張状態緩和は顕著になり、各国の株式市場も急回復。
相互関税が本格的に始動する7月まで株価は強気相場になるかもしれません。
米中緊張状態下でも株価は底堅く推移していた
ただ、90日間の相互関税発動延期発表から5月の115%関税引き下げまでの間も、米国株式市場は底堅く推移しました。
この間トランプ氏と中国の間で激しいやりとりがあり、両国とも関税を上げ続けていました。
もちろん下落している時間帯もありましたが、4月初旬に着けた安値を割り込むことなく上昇。
個人的には何故このような動きをするのか疑問でしたが、理由の1つに個人投資家のアメリカ株運用構造が挙げられそうです。
アメリカの個人投資家は何故株を保有し続けるか?

Joe Takayamaさんという方のXのつぶやきがとても腹落ちしました。
YouTubeでは仮想通貨についての動画を多数投稿されていらっしゃり、登録者数も2025年5月18日現在16万人を超えているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
このつぶやきはAAII(American Association of Individual Investors)調査について触れられています。
アメリカの個人投資家を対象に行われた「向こう6か月の株式市場についてどう見ているか」という調査の結果、かなり弱気な見方が多いと判明しました。
にもかかわらず株価はそこまで落ちていない。
これは何故なのか?という解説になります。
パッシブ運用が広がっている
第1には、個人資金の積み立てが自動化されているため、マーケット心理が弱気に傾いているからといってそれが売却行動につながらないという点です。
株取引に人の心理状態が介在しづらくなっている、ともいえるでしょうか。
もちろん全部が全部自動化というわけではないと思いますが。
税金と売却コストを意識して売らない
アメリカですと短期キャピタルゲイン税は総所得に合算されて課税所得が計算されます。
一方、長期キャピタルゲイン税(1年以上保有が条件)は株式の売却益部分に専用の優遇税率(0・15・20%)が適用されます。
自分の手持ち株の保有期間・売却時の税金コストを計算し、おいそれと株を売らないという流れに繋がっていそうですね。
保有し続ければいずれ回復するという意識
アメリカの代表的な株価指数、NASDAQ100やS&P500、Dow30など長期で見るとどれも右肩上がりです。
このため「一旦下がっても持っていればいずれは株価は回復する」と考えるマーケット参加者は少なくないと思われます。
リーマンショックを経た後も、結果としてショック前の値を超えて株価は大きく上昇しました。
株に組み込まれる生活資金割合の増加
確定拠出年金や個人年金など、老後の生活資金が自動で積み立てられる状況ですと、株価はなかなか下がらないだろうなというイメージは湧きますよね。

老後資金を崩したくはないっていう意識が働くのかもね。
アメリカ株の運用構造がもたらすリスク
巨大なバブルが形成されやすい環境
自動化の悪い側面だと思うのですが、株価が正しく評価されず、下落時でも一定の買いが入るためにバブルが形成されるのでは?という懸念があります。
投資家のマイケル・バーリ氏はETFなどのパッシブ運用が企業本来の価値を無視した買いを生み、バブルを形成していることを指摘していました。
アメリカの株式市場が過大評価されているという話は数年前から挙がっています。
景気悪化によりバブルが崩壊するリスク
アメリカの2025年1~3月期のGDP伸び率は年率-0.3%となり、景気悪化の兆候が表れています。
5月16日に発表されたミシガン大学が行っている消費者信頼感指数も、過去2番目の低水準に。
海外投資家もアメリカから資産を引き上げているという報道もあり、今後の状況も不透明です。

仮にアメリカ株を買って株価が上昇してもドル安になる場合、自国通貨に戻したときに利益が出ない可能性も・・・。

台湾ドルが一時急騰したみたいに、世界各国の通貨で対ドル安が起きてるからその可能性は否定できないね。
一般的な消費者に視線を移すと2025年4月末のニュースですが、アメリカの4人に1人がBNPL(Buy Now Pay Later)という仕組みを利用して食料品を購入しているとのこと。
生活必需品を買うために後払いシステムを使わないと乗り切れない人・給料日までの生活費がギリギリな人が増えているという状況が浮き彫りになっているようです。
おわりに

個人的にはパッシブ投資が主な原因で、アメリカ株式市場が過度に押し上げられているように感じました。
自動的に買いが入って人の恐怖や警戒心が数字に反映されないなら、上昇し続けてしまうのもある程度分かりますよね。
ただ、現状アメリカ株は底堅く推移してはいますが、表面化していないリスクもあります。
今はトランプ氏の言動に各マーケット注意が集まっていますが、ウォーレン・バフェット氏は2025年に満期を迎える商業用不動産ローンもかなり警戒していました。
金額はなんと1.4兆ドルに達するそうです。
近年、リモートワークも普及し商業ビルの需要はかつてより減っていますし、金利が高い現状を見ると、私のような素人でも「ローンが返済できず、高金利で借り換えもままならない人が続出するのでは・・・?」と悲観してしまいます。
つい先日、バークシャー・ハサウェイが銀行株の保有を縮小したというニュースがありました。
ひょっとすると、商業不動産ローン返済不可に端を発する金融銘柄崩壊リスクを警戒しているのかもしれません。
個人的にはアメリカ経済が回復とまではいかずともソフトランディングし、我々の日常生活まで影響が波及しないことを祈るばかりです・・・。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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