この記事ではMOS(モス)について解説できればと思います。
マイクロソフト社がリリースしているOffice製品の資格で、MOS資格やMOS検定などと呼ばれています。
私はこれまで主にバックオフィスの仕事に従事してきましたが、MOSを取得して応募できる仕事の幅が広がったと感じています。
2019年に検定合格へ向けて勉強を開始し、Word2016とExcel2016のスペシャリストとエキスパート、Access2016のスペシャリストを取得しました。
「取ったところで意味ないよ」と言う人もいると思いますが、個人的には年代問わず色々な人へおすすめできる資格だと考えています。
この記事では私の実体験も交えながら、MOS取得のメリットや勉強方法について記載します。
これから試験を受ける人の参考(特に合格ライン)になればと、私の試験結果レポートも掲載しました。
- MOSの取得について興味のある方
- サービス業からバックオフィス系の職種への転職を考えている方
MOSとは何か?
MOSの概要と名称について
MOSとはMicrosoft Office Specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の略称で、オフィス製品の資格になります。
具体的にはWord(ワード)、Excel(エクセル)、PowerPoint(パワーポイント)、Access(アクセス)、Outlook(アウトルック)の操作能力を証明する資格です。
PowerPointとOutlookを除き、難易度はアソシエイトとエキスパートに分かれています。

今でもバックオフィス系の仕事では使用頻度高め。
アソシエイト(旧スペシャリスト)とエキスパートの違い
アソシエイトは一般レベル、エキスパートは上級レベルに該当します。
エキスパートには相当難しい問題もちらほら混ざってきます。
実務であまり使用していないソフトの試験を受ける際は、アソシエイトからが無難かもしれません。
どのバージョンを選ぶべきか?
おすすめは最新バージョンの受験です。
古いバージョンから次第にテスト自体がなくなっていくためです。
ただ「職場で使用しているバージョンを使いこなしたい」といった事情がある場合は、柔軟に優先順位を変えた方がよいでしょう。

とは言えそこまでバージョン間の違いある?

よほど時期の離れたバージョンでなければあまり違いはないと思う。
私が受験したバージョンは2016だったけど、自宅学習では365を使ってた。
それでも試験は合格できたよ。
よほど古いバージョンについて学びたいなら話は変わってくるけど、そうじゃなかったら最新版の受験がおすすめかな!
MOS取得のメリット
応募できる求人が増える
就職や転職にある程度有利に作用すると思います。
今までサービス業だった人がバックオフィス系の職種を目指すなら、MOSをもっていることでやる気をアピールできますし、業務への導入もスムーズになるかと思います。
有資格者歓迎の仕事も少なくないですし、求人サイトによってはvlookupやpivotなどエクセルの関数名で検索して仕事を見つけることも可能に。
仕事の効率化が図れる
AIやRPAの登場でデスクワークも以前より簡単になっているのかもしれませんが、まだまだExcelやWord、PowerPointを手動で使う機会は多いと思います。
また、MOSの勉強を通してOffice製品以外の文書作成ソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフトの使い方も予想できるように。
Google WorkspaceやLark等で初めて使用するソフトに触れても、抵抗なく業務に入れるというメリットがあります。

Office製品に近い仕組みのソフトが多いので、汎用性が身に着く!
大学によっては単位認定される
MOSの取得で2~4単位認定される学校もあるようです。
大学生のうちにITパスポートと一緒にMOSも合格しておくと、就職先から「デスクワークに必要なハードスキルはありそう」と判断されるかもしれません。
時間のあるうちに余裕をもって受験しておきたいですね。
海外でも認知されている
Microsoftの資格なので認知度は高いです。
私もそうでしたが、海外の会社へ就職する際に現地でも知られている資格をもっているというのはちょっぴり心強いと思います。
MOSの難易度は?
Word(ワード)・Excel(エクセル)・Access(アクセス)については「アソシエイト」と「エキスパート」の2段階があり、PowerPoint(パワーポイント)とOutlook(アウトルック)についてはアソシエイトのみという構成になっています。
私が受験していた時期にはAccessにエキスパートはありませんでした。
需要に応じて試験内容が変化しているのかもしれませんね。
アソシエイト(旧スペシャリスト)は比較的容易
アソシエイト(旧スペシャリスト)はそこまで難しくはありません。
結果はどの科目も概ね9割程度は得点できていました。
後述するテキストの模擬試験プログラムよりもかなり容易だった記憶があります。
エキスパートはしっかり準備する必要あり
エキスパートはアソシエイト(旧スペシャリスト)と比較すると、かなり難易度が上がったように感じました。
おそらく普段から仕事でOffice製品を多用している人でもない限り、きちんと勉強しないと合格は難しいのではないでしょうか。
「スペシャリストの難易度からしてエキスパートも大したことないかも?」
そうやって油断して臨んだ結果、1回目の受験でWordは合格しましたがExcelは不合格になりました泣。
気を取り直して2週間後に再受験し合格しましたが、エキスパートは私のようになめてかかると落ちてしまう可能性は高いと思われます。
MOS試験前の勉強時間
時間が取りやすい学生さんや社会人によって、学習スケジュールは異なってくると思います。
私は普段8時間勤務をしつつ、独学で取得する予定という状況でした。
まずMOS試験学習定番とされているテキストを購入→テキストをざっと見て20時間前後で合格点に達せられるのではと予想→1・2週間後の試験日を予約→試験日から逆算して1日の勉強時間を設定・・・といった形で学習スケジュールを組みました。
ただ、普段からパソコンに触れること自体少ないという場合はもう少し時間が必要かも・・・。
肌感ですが普段の仕事や学習でパソコンを使っている場合ですと、アソシエイトの勉強は各科目20~40時間、エキスパートの勉強は20~50時間程度あれば十分合格できるレベルに達すると思います。
集中して勉強する時間を確保できる方は、数日での取得が可能だと思います。
*後述しますがMOS検定の随時試験は受験日程に融通が利きます!*
試験結果はいつ分かる?
結果は試験終了後すぐに分かります。
2023年3月31日をもって紙の合格証送付はなくなってしまったとのことで、合格を証明する手段は下記3種類になりました。
- 試験結果レポート:受験した方全員に、受験当日に試験会場でお渡し
- 合格認定証:合格者は、合格から2~3時間以内にWeb上で閲覧可能(印刷可)
- デジタル認定証:Web上で受験当日からすぐに閲覧可能(印刷可)
MOSの公式ホームページより引用
実際の試験結果レポートと合格認定証
試しに自分のIDで久しぶりにログイン(2025年3月15日時点)して試験結果レポートや認定証を確認してみました。

ネット上でいつでも試験結果を確認でき、PDFで出力できるのは便利ですね!
以下、私のExcel2016スペシャリストとエキスパートの試験結果レポートです。
*個人情報や試験会場は黒塗りにしております*



・・・エキスパートはもう少しスコアを上げられなかったのかね・・・。

セクション分析が軒並み80%未満なのになんで合格してるんだろう笑。
合格証はこんな感じです。

最低合格点をまとめてみた
2019年に私が受験した際のデータになりますが、最低合格点をまとめてみました。
情報源は各科目の試験結果レポートに記載してある合格最低点です。
合格に必要な点数は変動しますが、ご参考になれば幸いです。
エクセルエキスパート2016:700点(2019年7月9日時点)
ワードエキスパート2016:700点(2019年6月24日時点)
アクセススペシャリスト:700点(2019年5月25日時点)
ワードスペシャリスト2016:700点(2019年4月18日時点)
エクセルスペシャリスト2016:700点(2019年3月28日時点)
当時の合格最低点はどの科目も1000点満点中700点と、7割の得点が必要でした。
MOS資格取得までの勉強方法
お金をかけたくないならYouTube動画や無料問題集を活用しよう
りおまるさんという方が運営している「MOSの時間だよ」というチャンネルがとても分かりやすいです。
概要欄から無料問題集をDLできるので「動画で学びたい」「お金をかけたくない」という方に特におすすめ。
私はテキストで学びましたが、こちらのMOS解説動画を見た印象ですと「おそらく解説通りに学習を勧めれば合格できそう」と感じました。
FOM出版のテキストをやりこめば高確率で合格できる
「独学でテキストを使って学びたい」こんな方にはFOM出版の定番テキストがおすすめです。
私も全科目独学で受験しましたが、本番では下記テキストに掲載されていたものと類似の問題が高頻度で出題されとても助かりました!
試験内容がほぼ全て網羅されているので、こちら1冊で十分合格点に達することができます。
テスト形式の模擬試験プログラムも使えるので、分からない箇所がほぼなくなるまで繰り返すのがオススメ。
思い返せば私のエクセルエキスパート学習は、模擬試験のやりこみが不足していたように感じます。
模擬試験プログラムで7割以上の得点を目指しましょう!
パソコン教室に通うのもあり
「1人で勉強するのが苦手」「誰かに教わりながら学びたい」
そんな人におすすめしたいのがパソコン教室の利用です。
インストラクターの方はMOS取得者が多いので、受験者のつまづきやすいポイントを理解していると思われます。
随時試験に対応しているパソコン教室を利用すれば、見知った場所でテストを受けることになるので緊張も和らぐのではないでしょうか。

顔見知りの先生が試験官やってくれたらリラックスしてテストに臨めそうだね。
申し込み方法
公式サイトより申し込み
オデッセイコミュニケーションズが運営する公式サイトより申し込み可能。
初めて受験される場合は受験者IDの登録が必要になります。
ちなみにCERTIPORTとはアメリカにある会社で、世界共通の資格認定制度を提供してます。
日本のオデッセイコミュニケーションズはCERTIPORT社とパートナーシップを結び、日本国内でCERTIPORT社が提供する各種IT系資格試験の運営を行っています。
全国一斉試験と随時試験
受験方法は全国一斉試験と臨時試験の2種類ありますが、おすすめは臨時試験です。
会場が空いていれば自分の好きな試験会場で・好きな試験日に・好きな時間で受験できるため、忙しい人にはこちらの方があっているのではないでしょうか。


どんなとこで受験したんだい?

私は家の近くのパソコン教室を予約して受験したよ。
インストラクターの先生が丁寧に受験方法について説明してくれて、助かった記憶がある。
試験当日
テストの実施方法はCBT
CBTとはComputer Based Testingの略称で、パソコンを使って行われるテストになります。
MOS以外でもGoogleの資格試験や医学部の共用試験など、CBTを使って行われるテストは数多くあるのでご存知の方も多いと思います。
試験官の説明をきちんと聞いていれば、MOS試験におけるパソコンの操作方法を間違えることはほとんどないでしょう。
難しい問題はあきらめて次へ
Excelのキューブ関数などいい例だと思います。
「難しくて分からない」という問題に当たってしまった場合は、残り時間と相談し、すっぱりあきらめて次へ進むのもありだと思います。
おわりに
私の場合は転職を考えていた折、応募欄に「MOSを持っている人歓迎」といった文言が記載されているのを見て受験しました。
昔と比べて今はAIとOffice製品を組み合わせて使う人も増えていると思いますので、仕事上の必要性は低下しているかもしれません。
ですが「Office製品の操作方法を学ぶために合格目指して勉強する」という点において、MOSはまだまだ有用な試験だと思います。
もし「オフィスワークの仕事に就きたいけど、Office製品の使い方がさっぱりわからない」という状況でしたら、MOSの受験を検討されていはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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