もう詰んでいないか心配になる円安の行方について考えてみた

私は日本にいたときからCFDやFX、仮想通貨などの取引を行っていました。

マレーシアにきてから182日が経過し、外国人税の徴収も終了。

お金に少し余裕ができたので、何かに少額投資したいと考えるようになりました。

マレーシアでは投資益に税金がかからないとのこと。

日本にいたとき使っていた、STEPNという仮想通貨関連のアプリを再開しようかなとも思いました。

しかし、私の住まいの近所は野犬が多かったり、歩道が整備されていないので断念。

「ひとまずCFDとFXでもやってみるか」と投資用(というかほぼ投機ですが)のアカウントを作りました。

記事内容は5月初旬のトレードです。

為替の難しさを改めて実感

CFDのトレードは成功

5月9日にアメリカ失業保険申請数の発表がありました。

かなり数値が悪かったので「アメリカの利下げ時期が早まる→株が買われるのでは」と思いストップを浅い位置に置いてCFDのUS30Cashをロングしたところ、240pipsほど利幅を取れました。

ダウはやはり強いですね・・・。

為替は失敗

翌日の5月10日、調子にのって「前回の円買い介入からもう50%くらい円安に戻してるし、ここから下がるのでは」と思い、ドル円をショートしましたが、これが失敗。

ストップを156.1に置きましたが、5月15日発表のアメリカCPIの発表をまたず刈られてしまうのではと考えていました。

案の定ストップにかかり、ポジションはロスカットされました。

日本の円安要因

いくつかあると思いますが、

  • 日銀の国債買入れ継続
  • 新NISAの海外株式市場参入による円売り
  • 継続的な人口減少

等が主なファンダメンタルズの要因でしょうか。

日銀の国債買入れ継続

「なぜ日銀が国債買入れをするのか」というところですが、市場に資金を供給し、かつ長期金利を抑えるために行われていました。

長期金利が上がってしまうことのデメリットは以下の通りです。

  • 株価が下がる→金利のいい長期国債へ資金が流れるため
  • 住宅ローンなどの金利も上昇してしまう→住宅ローンの固定金利は長期金利に連動しているため
  • 長期国債の利払い額が増えてしまう

特に、最後の利払い額については、今の日本の財政に大きくのしかかっています。

2024年3月末の時点で政府の債務は1297兆円となっており、全部が長期国債ではないと思いますが、数パーセント上昇しただけでもかなり利払い額が増えてしまいます

何もせず手をこまねいていれば、日本政府は近い将来デフォルト(債務不履行)するのではないか、という試算が政府内にもあるのでしょう。

そんなわけで、政府・日銀としては長期国債の利回り上昇を抑えたいため買入れを行ってきたのですが、アメリカの長期金利は2024年5月現在4.5%ほど。

アメリカではインフレが止まらず、日米金利差も拡大、結果として対ドルにて円安が進行しているわけです。

国債買入れを減額、または停止すれば長期金利が上昇し、アメリカとの金利差も縮小、円安も落ち着くが、利払い額が増え、債務不履行となる可能性がある。

国債買入れをそのまま継続すれば、利払い額は予測の範囲内に収まる可能性が高いが、円安がどんどん進行し、物価高に拍車がかかってしまう可能性がある。

・・・という、どうにも困った状態なのが今の日本です。

今の物価高は円安によるところが大きいと思いますが、介入程度しか打てる手はなく、政府・日銀の難しい舵取りが続いている状況です。

介入した際はアメリカのイエレン財務長官から「為替介入は稀であることが望ましい」と釘を刺される始末。

事前にアメリカとの合意が得られてなかったのでしょう。

新NISAの海外株式市場参入による円売り

非課税ということで、日本在住の方にNISAはかなり人気と聞いています。

ただ、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やS&P500に投信を経由して資金が海外へ流れる→円売りドル買い決済が発生し、円安を誘引するという流れができてしまいました。

これにより、今のところ毎月1兆円程度の円売り圧力が発生。

始まったばかりの制度ですが、先日「NISAの利益に社会保険料を課す」という案が厚生労働省の自民党部会で審議された、という話もありました。

「なんだかんだ投資益から課税されたり社会保険料が引かれてしまうのでは・・・」との懸念から、投資熱は徐々にトーンダウンしていくと思われます。

厚生労働省としては「社会保険料の増額であるため、増税には当たらず、議論の余地がある」というせこいスタンスなのでしょう。

継続的な人口減少

日本では毎年のように人口が減っていますが、コロナ禍から減少スピードが加速しているのではないでしょうか。

高齢者の割合が高く、出生率はどんどん低下している。

出生率の低下については「中間層・低所得層が幸せを実感して暮らせているか」というところが大きいと思います。

今は年収500万円以上ある人でも「自分なんかが結婚しても、貧困でパートナーと子供を不幸にするだけでは」と足踏みする人も少なくないのでは。

今の政府の財務状況からすると、今後数年間の大幅増税は避けられず、可処分所得もさらに減っていくように見通せます。

「自分たちのことに精一杯なのに、子どもなんて・・・」と生み控えが起こるのは無理もない流れですよね。

アメリカのインフレ要因と円売りポジション

主な理由として下記の理由が考えられます。

国内要因と国外要因

  • コロナ禍での人員不足による人件費の高騰→人件費を価格に転嫁
  • ロシアのウクライナ侵攻による穀物・エネルギー価格の高騰
  • 慢性的に貿易赤字のため、ドル高になった方が国として恩恵がある

大きなインフレの始まりはコロナ禍による需給のひっ迫でしたが、それに追い打ちをかけるようにロシアのウクライナ侵攻が起きました。

そりゃ、世界中でインフレになるわ…。

2024年4月10日に発表されたアメリカの3月消費者物価指数は、前年同月比3.5%+となり、いまだに高い水準をキープ。

ニュースでアメリカの物価がいかに高いか、という話は最近よく聞きますが「もはやスタグフレーションの域では・・・」というレベル感ではないでしょうか。

4月から鈍化している可能性はありますが、FRBの高官からはタカ派発言が多く、当面の間利下げは難しいのでは、という雰囲気も漂ってきました。

5月初旬の円売りポジション

CFTC20240510時点の投機筋円売りポジション

<Investing.comより引用-CFTC JPY speculative net positions->

CFTC(Commodity Futures Trading Commission)というアメリカの商品先物取引委員会が発表している、円売りの投機ポジションになります。

こちらを確認すると、5月10日日時点のデータは約13万5千枚売り越しとのことで、円ショートポジションは減少傾向にあることが分かります。

日銀の介入でいったん退場した大口も出たのかもしれません。

が、依然として大量の円売りポジションが持ち越されている現状。

私がいい例かもしれませんが、こんな状況下で円買いをするのはおすすめできません。

簡単にストップに引っかかってしまいます泣

157円前半にストップを置けば助かるかもしれませんが、過去の経験からストップは利幅が出る方向or損失を小さくする方向に動かすのはOK・損失が拡大する方向に動かすのはNGというマイルールを設けています。

やはりFXのようなゼロサムゲームより、株式やCFD、仮想通貨、コモディティの方が私には向いているな、と実感した数日でした。

おわりに

この記事をリライトしている2024年8月30日現在、ドル円は144円台とかなり円高に振れました。

この先日本に戻ることも考えていたので少しほっとしましたが、「日本単独で円高にもっていくのは本当に難しい」と実感。

何回かあった円買い介入もほとんど効果はありませんでした。

アメリカ経済の失速を願うしか手立てがなかったのは、日本人としては悲しい限りです。

私を含め、海外株式や外貨を保険として保有する方は今後も増えるのではないでしょうか。

逆にアメリカが極端な不況に見舞われれば、さらなる円高に振れる可能性もあるので、投資タイミングを見極めたいところです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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